出産一時金とは?

出産と病気は違いますから、病院でかかる費用については健康権の対象ではなく費用は全額自分で負担しなければなりません。

しかし、健康保険からは出産一時金の支給があります。

出産一時金とは、健康保険の被保険者や被扶養者が出産した時に健康保険協会から支給される一時金のことです。

出産は妊娠85日以後の早産でも当てはまり、早産や死産、流産、人工妊娠中絶をした場合もそれに当てはまります。経済的な利用で人工妊娠中絶をした場合は療養の給付対象ではありませんが、帝王切開の場合は療養の給付もあります。

胎児一人に対して出産一時金は支給されますので、双子の場合は出産一時金も2倍支給されます。

出産一時金はどうしたらもらえる?

出産一時金は、看護師として自分が現在健康保険に加入している場合、または現在は看護師を辞めていて夫の健康保険の被扶養配偶者になっている場合のどちらでも貰うことができます。

出産一時金の請求と受取りは、医療機関が直接妊婦に変わって行ってくれます。手続きも産院から直接支払制度についての説明を受けてから同意書に署名するだけです。

しかし、小規模の医療機関の場合は妊婦が手続きをしてから病院に直接一時金が支払われる受取代理制度を利用することもあります。

看護師が出産一時金を申請する場合は、勤務先の病院の健康保険に申請することになります。双子以上を出産する場合は、申請も子供の数分だけ行わなければならない場合もあるため、通院している産科の担当医に多胎証明をもらわなければいけませんので注意が必要です。

いずれも、手続きは出産前に行います。

また、自分で出産費用を準備した後、産後に一時金を請求する産後申請方式の方法もあります。その場合は、退院後に加入している健康保険に必要書類を提出します。

出産一時金の相場は?

出産一時金は、子供一人に対して42万円と健康保険協会で定められています。

しかし、産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合は39万円の支給となります。出産一時金は子供一人に対して支給されますから、双子を出産する場合は2倍の84万円、三つ子を出産する場合は3倍の126万円と定められています。

健康保険組合によって、または自治体によっては付加給付が付く場合があります。通常支給される42万円に5万円上乗せする形で支給する健康保険組合もありますから、出産一時金の付加給付についてはあらかじめ健康保険組合に確認しておきましょう。

出産一時金の賢い使い方

出産一時金の貰い方には、健康保険から直接病院に支払ってもらう直接支払いと本人が病院に代わって手続きをする受け取り代理、そして産後に自分で手続をする産後申請と3種類の方法があります。

直接支払いを選択すれば、手続きは産院側で行ってもらえますので妊婦である自分の手がわずらわせられずに済ませられます。妊娠中も看護師として働いていると手続きを行っている時間がない可能性もありますから、直接支払いを選ぶと手間を省くことができます。

しかし、出産一時金を少しでも多くもらうために適しているのは産後申請です。直接支払いと受け取り代理については、病院で事務手続きを行いますから手数料が発生します。病院側の請求額が自分で手続を行う産後申請を選べば、手数料の分だけ下がるのです。

病院への支払いは、カード払いが出来るようになってきているためカードで病院費用をすべて支払っていれば、カードのポイントをためることもできます。産後申請の書類を提出してから自分の口座に入金されるまでには1ヶ月ほどの時間がかかりますが、1ヶ月程度であれば病院から引き落としがる前に入金されることも多いですから、あまりお金の余裕が無い場合でも利用しやすいです。