休日労働手当とは

休日労働手当とは、労働基準法で支給が定められている時間外労働への手当です。労働基準法によると、法定労働時間の8時間を超えて働く場合は通常の賃金よりも25%割増して支給する義務が病院側に課せられています。

また、法定休日に労働した場合は35%以上の割増賃金を支給する義務が生じます。

病院という職場は、日曜、祝祭日、正月など法律上休日と定められた日でも病棟では入院患者さんの容体が急変したり、急患が担ぎ込まれてきたりと休日であろうと容赦なく仕事が発生します。そうした休日に出勤した場合は、平日よりも割増の給料がつくのです。

一般的に考えれば、土曜日や日曜日が所定の休日だと考えがちですが、実は通常の出勤日の中に日曜日が含まれているのは珍しくありません。病院やクリニックなど、医療の現場は上記のとおり一般的な休日でも患者さんの状態に応じて看護師の手を必要とするため、シフトを組んで常に医師や看護師が病院にいる状態を保っています。

労働基準法上の休日は、1週間につき1日、もしくは4週間につき4日です。そして、この休日をいつにするかは各病院ごとに異なり、看護師のシフトによって異なります。

看護師はローテーションを組んで休日を定めており、休日労働手当が必要になるのはこのシフト上本来休みであった日に働いた場合です。

休日労働手当はどうしたらもらえるの?

休日労働手当の対象となるのは、看護師がシフト上、ローテーション上、休日と定められた日に出勤した時です。注意点として、決して土日、祝祭日に出勤した場合が必ず休日労働手当の対象となるとは限りません。あくまでその看護師にとって休日である日に出勤した場合のみが対象です。

そして、対象となるのは休日出勤したすべての看護師で、常勤、非常勤などの雇用形態は関係ありません。ただし出勤日を選べるシステムで働いている非常勤看護師だと、休日ではなく平日扱いになり休日労働手当の対象にはなりませんから気を付けましょう。

こうして休日労働手当の対象になると、病院側が計算して自動的に給料に休日労働手当がつきます。看護師側が手続する必要はありません。

休日労働手当の相場はいくら?

休日労働手当は、労働基準法で計算方法が決まっていて所定の給料の35%割増になるよう計算し、算出して休日手当としています。

計算方法は、『時間単価』×1.35×『休日の労働時間数』です。

よって休日労働手当の相場は、1回の休日出勤につき1,000円~3,000円くらいです。もちろん労働時間が長引けば、その分だけ手当は高くなります。

病院によっては年末年始の休日に出勤した場合は特別多く休日労働手当を出す場合もあり、年末年始は実家に里帰りする看護師もいるため、出勤できるのは病院の地元に住んでいる人に限られます。その上、年末年始に出勤するのはかなり億劫に感じられることから、特別高めに手当を出す傾向にあるのです。

しかし、相場はこれと言ってなく1,000円~10,000円と大幅に違います。これは別に労働基準法上定められているわけでなく、病院側からのお年玉のようなものと考えて良いでしょう。もちろん通常の休日労働手当と考えて、いつもどおりの相場で出す病院も同じくらいあります。

休日労働手当の賢い使い方

看護師の休日労働の特徴として、日中だけでなく夜になって急に呼び出される場合があると言う点です。特に入院患者さんを抱える病棟勤務の求人では、休日出勤がよくあることから最初から求人に休日労働手当について記載しています。

夜に出勤した場合などは、休日労働手当に加えて深夜労働手当が加わり、給料面でかなりのプラスになります。因みに、深夜労働手当は通常の25%以上の給料を支払うことになっているため、休日出勤と被った場合は「25+35=50%」以上の割増賃金が発生します。

一般企業なら赤字ものの手当ですが、病院という職場では珍しくないケースです。

こうしたケースを狙って求人を選ぶとすれば、出来るだけ外来勤務よりも病棟勤務、容体が急変しそうな術後の患者さんのいる外科系の求人が良いでしょう。内科系の病棟も病院によってはこうした事態が起きやすく、休日労働手当と深夜労働手当でかなりの高給を望めます。